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月刊ニューメディア 2020年7月号・8月号掲載
特集
ケーブル技術ショー2020(前編・後編)
「インフラ投資戦略」編・「Withコロナ戦略」編

月刊ニューメディア 2020年7月号掲載
特集 ケーブル技術ショー2020 「インフラ投資戦略」編

香川テレビ放送網(KBN)

「2つのインフラ」を有効活用
サービスは積極的に他社と提携

 香川テレビ放送網(本社:香川県坂出市、以下KBN)は、「長らく続く地方経済の低迷に加え過疎化が進み、さらに新型コロナウイルス感染問題が拍車をかけ、この地域の地方経済、文化がどのように変化していくか本当に先の読めない、進むにも引くにも難しい判断を迫られる時代に向かいつつある」(香川テレビ放送網株式会社 代表取締役 北村昌士氏)という市場環境だ。その中で同社は、所有している「2つのインフラ」を有効活用し、10年先を見据えた勝ち残り戦略を立てている。(取材・文:渡辺 元・本誌編集長)


「地域との強固な信任関係」は
ライバル不在のインフラ

 北村社長が考えるKBNの「2つのインフラ」とは、第1は「お客様と信任関係で繋がるインフラ=土俵」、第2はその信任関係という土俵に乗せる「物理的なインフラ=サービス」だ。

 同社は1978年の設立後、地方民放のプロダクション業務などを行いながら、1984年にケーブルテレビ放送事業者の認可を得て、翌1985年に自主放送を開始した。当時は取材、編集、ニュースの放送、工事、補修など通常業務を終えたのちに、毎日夕方から全社員が背広を身にまとい、住民の自宅を訪問したり自治会単位での説明会をしたりしながら、加入者を一生懸命募ったという。

 「これが当社の原点であり、開局以来愚直に継続し続けた作業です。結果として、『地域の方々との信頼関係』が生まれ、それをさらに強くするために、取材を繰り返し、サポート訪問し、営業活動も行ってきました。その努力の繰り返しが今の『お客様と信任関係で繋がるインフラ=土俵』を作ったと思っています」(北村氏)

 現在、同社社員が住民の自宅を訪問すると、大多数の世帯で安心して自宅に上げてもらえるという関係を築いている。北村氏は「地域で培った『地域のメディア・放送会社』『信頼しうる会社』というインフラ=土俵で戦う限り、競合会社は皆無です。通信業界や携帯業界の土俵で戦えばライバルは数多存在しますが、ケーブルテレビという強固な信任関係の土俵ならばライバルは不在です」という。

 

通信インフラでは電力系と提携
携帯キャリア割引プランも開始

 第2のインフラである「物理的なインフラ=サービス」については、同社は早くから10G-EPONを導入してきたが、エリア全域に光幹線を敷設したのは2年半前の2017年で、四国のケーブルテレビの中では遅かった。四国では四国電力系通信事業者とケーブルテレビの提携が以前から進んでおり、KBNも四国電力系通信事業者と提携した。また、スマートフォンが最大の通信ライフラインになっているという認識から、3大携帯キャリアの割引が適用される通信プランも開始した。

 「『節操がない』と言われたこともありますが、当社のケーブルテレビのインフラ上で戦えるならば、その上に乗せるサービスは自社ブランドにこだわらず、お客様が望むものであれば積極的に提携を行い、それらを当社のFTTHなどを通じてご提供できればよいという判断でした。当社の『物理的なインフラ=サービス』に乗せる『商品=武器』は、自社のFTTHでも通信キャリアのサービス、エネルギーサービスでも、お客様が欲するサービスかつ当社が自信を持ってお勧めできる商品であるならば、何をご提供してもよいと思っています。そうすることでインターネットや電話サービスの契約数は他社ブランドであったとしても必ず伸び、解約は必ず減少すると確信しています」(北村氏)

 KBNは利用者にとって最も有益と考えたプランの提案に徹し、同時に取材や番組制作、近隣局との番組提携などコミチャンの強化にも力を注いだ。その結果、エリア全域でのFTTH開始から2年半が経過した現在、ほぼ当初の計画通りの実績を上げ、利用者の信頼もさらに深まった手応えを感じているという。
 さらに今後は、5Gなどの無線、OTT、IP放送、固定通信のさらなる高速化など、利用者が求める新規サービスを同社のインフラ上で提供していく予定だ。

 

共同設備・放送・通信・電気などで
県内外のケーブルテレビと提携

 新たなサービスを積極的に開始していくためには初期投資が必要。また、現在のFTTHや放送設備も継続的な改修が不可欠だ。そこでKBNはここ1年程、県内のケーブルテレビと設備の共同購入・共同利用、サービスの共通化・共有化などを進めている。新型コロナの影響で当初の計画よりは少し遅れそうだが、隣局である中讃ケーブルビジョン(本社:香川県丸亀市、以下CVC)が同県善通寺市にエリア拡張を行うにあたり、放送サービスはCVC、通信サービスはKBNといった新しい形の協業体制で新エリアに挑む予定だ。データ放送についても、設備機器のリプレイスをする際に両社で統一化し、サービス向上とコスト削減を図ることを予定している。

 また、KBNは今年4月から小売電気事業も開始した。これは中海テレビ放送(本社:鳥取県米子市)とその関連会社であるローカルエナジー株式会社の協力を得て実現した。北村氏は「今後、テレビ、インターネット、電話に続く柱となり得る事業です。それも単なる電気ビジネスとしてではなく、この事業の売り上げの一部を活用して、地域行政とともに地域の子供たちの健全な成長、地域の人口増加につながる子育て支援や企業誘致事業のために少しでも貢献できればと考えています。地域のお客様が利用する電気の売り上げが地域を盛り上げる力になるならば、お客様がさらに安心してケーブルテレビをご利用し続けていただける動機になると思っています」と構想を語る。

 KBNはこの3年間程度、同社のインフラに乗せるサービスには競合事業者による数多くの代替品があるということを理解したうえで、自社のブランドにこだわることなく利用者に提案することで、さらに契約数とともに信任関係を深めるという戦略で活動してきた。

 「今後も便利で魅力的な新サービスが開発され、提供されてくると思いますが、当社は変わらずケーブルテレビという『信任関係』の土俵上で、お客様が欲しているサービスを積極的に組み込み、ご提案し続けたいと考えています。シンプルに、それが当社が存続し続けるための近道だと考えています」(北村氏)

 


図 香川テレビ放送網の「2つのインフラ」戦略

 



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