日本とフィリピンの間で連続起業
宮下幸治 株式会社アイ・ピー・エス 代表取締役社長

● 文・写真(この頁):渡辺 元・本誌編集長
● 表紙写真:上飯坂 真

 新4K8K衛星放送がスタートした2018年12月1日、J:COMは同放送の再放送サービスなどの4KサービスをPRするイベントとして、2018年ヒット映画「カメラを止めるな!」の監督、キャストによる4Kトーク・ライブショーを開催した(J:COMの4Kサービスの取り組みについては、本誌17〜23頁に詳しく掲載)。「カメ止め」の主要キャストは、同年11月から地上波でも放送されているJ:COMの4KサービスのCMに出演している。今回のイベントには、「カメ止め」の上田慎一郎監督と、CMにも出演している俳優・濱津隆之さん、市原洋さん、秋山ゆずきさんが再結集した。

 今回のイベントの目玉は、今最も注目されている映画監督の一人である上田監督が、観客の目の前で4Kカメラによる動画撮影、編集、上映までを短時間で行うという試み。「カメ止め」のメインテーマ「zombeat」の曲に合わせて3人の俳優がダンスするミュージックビデオのような映像作品を、上田監督が4Kカメラで20分間撮影し、そのあとすぐに30分で編集、出来上がったばかりの作品を観客の前で上映までするという、「無茶苦茶な企画」(上田監督)だ。この貴重な機会を見るため、イベントは13時からの開催だったが朝早くから「カメ止め」ファンの人たちがたくさん会場に集まった。

 上田監督が4Kカメラのファインダーを覗きながら、「じゃあいきますよ。はい、回った。音楽お願いします!」と声をかけ、撮影が始まった。撮影は手際よく進み、上田監督の「はい、カット! OKです」の掛け声で、予定より早い13分ほどで終了。観客から大きな拍手がわき起こった。司会者から、もう作品のイメージは出来上がっているのか尋ねられると、上田監督は「ないですね、まだ。これから作ります。撮りたいものは撮りましたので、ここから30分で仕上げます」。そして上田監督はステージの隅で編集作業に入った。

 その間、ステージ上では濱津さんたちによるトークショーが行われた。「カメ止め」の公開後、周りの環境が目まぐるしく変わったのではないか、という司会者の質問に秋山さんは、「本当に人生が変わりました。CMに自分が出られると思っていなかったし、そのCMのおかげでこういうイベントに出られるとも思っていませんでした。もう夢の中にいるんじゃないかと思うようなことが日々起きすぎていて、ちょっと怖いですね(笑)。『カメ止め』は連日いろいろなキャストが(映画館で)舞台挨拶に立っていました。それを見て私も『つなげなきゃ』という気持ちがすごく湧いてきまして、初めて1人で舞台挨拶に行ってみたり。キャストのみんなも時間ができたら『あっ、行こう』みたいに、みんなでバトンを渡してつないでいって、つないでいってという感じでした。自分の気持ちもすごく変わりました。この作品のために何かできることはないかな、と考えるようになり、成長させてくれました」。「カメ止め」で女優として大きく成長し、活躍の場が広がった秋山さんの演技を映画、テレビ、舞台などで見られる機会が今後増えるだろう。

 約30分間のトークショーが終わったとき、上田監督から「できました」の声。いよいよ完成した作品の上映が始まった。「カメ止め」を見た人にはお馴染みの曲が流れると、それに合わせて3人のキャストがキレのある動きでゾンビポーズを取り入れたダンスを踊る。そして最後には、映画にも出てきた人間ピラミッドを作り、3人それぞれの顔のアップ。「カメ止め」の要素も入れた、1分余りの軽快な作品だ。

 上田監督は、「今回は“撮って出しも撮って出し” です(笑)。あと30分、あと20分といったプレッシャーが楽しいですよね」。「カメ止め」で30分以上の長回しでゾンビ映画を撮影するという離れ技をやり遂げた上田監督は、限られた時間内での4K映像の撮影・編集という新たな挑戦に、創作意欲をかきたてられたようだ。そして「本当に1年前はまだ新人のみんなと一緒に映画を作っていましたので、まさか濱津さん、市原君、ゆずきちゃんを4Kで見られる日が来るとは思いませんでした。一つ一つ夢が叶っていき、今日もまた一つ叶いました」と嬉しそうに語った。

 上田監督の頭の中には、4Kをどう作品に活かしていくか、アイデアが浮かんでいるに違いない。近いうちに上田監督にしか撮れないような4K作品が見られるのではないか。とても楽しみだ。

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