今月の表紙「囲碁・将棋チャンネル」将棋人気の上昇気流に乗っていく!

●文:天野 昭・本誌発行人
●写真:谷口龍平

将棋界に旋風が吹いている

 藤井聡太四段の快進撃が続いている。
 最初の最高潮の波は2017年6月21日の対澤田真吾六段戦だった。朝10時開始、夕方4時半過ぎに藤井聡太四段の28連勝が決まり、号外が出た。

 一人のヒーローが出たことで、将棋人気は高まるばかりだ。その高揚感を、囲碁・将棋チャンネルも受けている。

 「いろいろと好反応もあり、契約者も増えていくはずです」と相好を崩しているのが岡本光正・(株)囲碁将棋チャンネル社長だ。

 そもそも、この専門チャンネルが生まれたのは、27年前のことである。

 日本全体がバブル経済の真っ只中、1990年8月に建築士を養成する日建学院を経営する建築資料研究社が、CS専門チャンネル運営会社のサテライトカルチャージャパン社を創設した。そして1991年10月にCATV局向けに「ニッケンサテライト/工務店チャンネル」の空き時間を利用して「囲碁・将棋」の収録番組を流し始めた。その後、いくつかの衛星プラットフォームを変えて「囲碁・将棋チャンネル」は延命してきた。そして、2009年12月に東北新社が建築資料研究社から株の大半を引き受けて、専門チャンネルの名伯楽である東北新社の手で手堅く運営されてきた。このような選択の裏には東北新社創業者の植村伴次郎の慧眼が光っていたことは確かだ。

世界に通用する囲碁・将棋

 現在、(株)囲碁将棋チャンネルは、日本棋院と日本将棋連盟の中にそれぞれスタジオを開設し、囲碁・将棋ともに棋戦を展開している。

 とくに、囲碁は日本・中国・韓国に通用する人気の高い「ゲーム」である。

 中国共産党幹部は囲碁の素養は「必須科目」であり、幹部たちは中国棋院に通いプロ棋士の手ほどきを受けているほどだ。

 (株)囲碁将棋チャンネルは中国棋院内にもスタジオを開設して、棋戦を展開している。

 囲碁・将棋はまた、AIの得意とする分野でもあり、AIプログラムなども急速に普及し、ICT教育教材としては欠かせない分野を形成している。

 藤井聡太四段のような時代の寵児がデビューしてきたことで、囲碁・将棋チャンネルにも、すそ野を広げ、ビジネス的には成功する「勝機」が巡ってきている。囲碁・将棋チャンネルの今後の展開に期待したい。

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地上波放送局などと違い囲碁・将棋チャンネル福庭副部長の仕事は多岐に渡る(28 連勝記者会見場の最前列でカメラを構える) この小型カメラから藤井四段の晴れ姿が全国に配信された。日本将棋連盟本部内の囲碁・将棋チャンネルスタジオまではIP回線で伝送された

 


囲碁・将棋チャンネルの魅力的な棋戦コンセプトを解説する(株)囲碁将棋チャンネルの岡本光正社長

 


28 連勝に関係ないことだが、奈良県立橿原考古学研究所付属博物館に展示されている現存する最古の将棋の駒(興福寺境内で「発見」されたもの)

 


28連勝達成後の記者会見で「目指すのは『光速の寄せ』の谷川浩司・第17 世名人のような棋士です」と明解に答えた。加藤一二三九段(ひふみん)を破った時などはまだニキビ面だったが、徐々に顔の手入れも進み可愛さが増した

出藍の誉れ。師匠の杉本昌隆七段(名古屋市出身)の誉れ高き弟子。安倍首相のお友達や大臣は「不肖の弟子」たちばかり


囲碁にしろ将棋にしろ、メディア販促には欠かせないタイトル戦。「大阪で将棋で号外が出るのは初めてのことじゃないか」(日本将棋連盟関西本部の職員) 関西本部内のモニターには熱戦の模様がリアルタイムで放送されていた


記録係の振り駒の結果は藤井先手と決まった 初手から2 手目までで、記者たちは対局場を出なければならない。囲碁・将棋チャンネルの福庭英男・業務部報道副部長も中継カメラをセットしてから室外に出た。小型カメラが熱戦を中継し続けた


対局場の天井には囲碁・将棋チャンネル、ニコニコ動画、AbemaTV などの天吊りカメラが盤面をとらえる